理化学研究所がGFLOPSの生成AIアシスタント「AskDona」の利用を開始

富岳サポートサイト利用者へ生成AI技術を応用したリアルタイム回答サービスを提供

2024年7月9日

写真 左から理研庄司運用技術部門長、三上上級テクニカルスタッフ、中村技師、GFLOPS盛本代表、鈴木共同代表

株式会社GFLOPS(以下、GFLOPS:ジーフロップス)とジャフコグループ株式会社(以下、ジャフコ)と理化学研究所(以下、理研)は、スーパーコンピュータ「富岳」(以下、「富岳」)の利用に関する問い合わせに対して迅速かつ的確に回答するため、「富岳」のサポートサイト(以下、富岳サポートサイト)にGFLOPSの生成AIアシスタント「AskDona」※1を導入したことをお知らせいたします。

AskDona導入背景

富岳サポートサイトは、「富岳」の国内外の利用者に対して技術的な支援を提供しています。利用者に向けて技術情報を網羅的に提供することが重要な一方で、利用者にとっては情報量の膨大さと相まって、各種フォーマットで作成された多数の技術文書の中から必要な情報を探し出して問題解決を図ることが容易でない場面があります。高機能検索サービスと質問に対する高精度自動回答サービスの提供を通して、利用者による問題の自己解決を促進することが富岳サポートサイトにおける直近の課題となっていました。こうした状況の中、ジャフコの起業支援プログラム「First Leap」※2のサポートの一貫として、理研とGFLOPSが生成AIに関する技術意見交換を行い、これをきっかけにAskDonaの導入について議論が始まりました。約半年間にわたる検証と評価の過程を経て、AskDonaによるソリューションが高い評価を受けて導入が決定されました。

AskDona導入目的

富岳サポートサイトのFAQページなどの充実化を目指す中で、急速に発展が進む生成AI技術を用いた質問回答システムについての有効性を活かし、回答内容をチャットサービス形式で利用者へ提供するリアルタイムサービスを実現します。その回答内容は、AskDonaの基盤となる生成AIの応用技術を適用した検索拡張生成(RAG)※3に「富岳」のマニュアル等を学習させることで、「富岳」利用者のそれぞれのニーズに合わせた最適なものとなります。

AskDona導入目的

1)回答精度

検索拡張生成(RAG)技術を活用した回答精度80%以上の審査基準をクリア(特許出願中※4

「富岳」の1万6000ページを超えるPDFマニュアルだけでなく、HTML形式の利用手引書やFAQページを回答情報源としたRAGを構築しました。GFLOPSは、特許出願中の大容量データから高い回答精度を実現する仕組みを用いて、理研が定めた回答精度の技術審査要件を満たしています。

2)ユーザービリティ

検索拡張生成(RAG)の応用技術によりナレッジ検索の導線も含めたソリューションを提供

本件では、RAGによる対話型チャット形式の提供に加え、資料検索機能も実装します。資料検索機能は、RAGの仕組みを用いますが回答文の生成を行わず、関連性の高い資料をリスト形式で提供するものです。既存の富岳サポートサイトのチケット作成機能※5とAskDonaを連携させることで、有人対応が必要な場合にAskDonaが履歴をシームレスに富岳サポートサイトのチケットと結びつけます。これにより、ユーザーの利便性を大幅に向上させることを可能にします。

写真 生成AIアシスタント:AskDona利用画面例

理化学研究所計算科学研究センター
運用技術部門 部門長 庄司文由からのコメント

生成AIを活用すれば「富岳」の利用者支援を劇的に改善できるかも知れないと考えていたところ、ジャフコ様にGFLOPS様をご紹介いただき検討を開始しました。GFLOPS様が開発されたAIアシスタントAskDonaは想像以上の効果があることがすぐに分かりましたが、それ以上に、こちらの要望に対する対応スピードの速さには目を見張りました。今後も「富岳」の利用者向けサービスの充実に向けて、引き続き連携していけたらと考えています。

株式会社GFLOPS代表 盛本マリアからのコメント

事業者が生成AIを利用しやすい技術としてのRAGの研究を創業当時から着手し、ジャフコ様の広範なネットワークを活用した顧客開拓のサポートを受ける中で、今回、理化学研究所様にAskDonaをご利用いただき非常に光栄です。世界中の方が利用する富岳サポートサイトで、理化学研究所様からのフィードバックを頂きながらAskDonaを活用いただく機会は非常に貴重で、生成AI応用技術の実務利用の促進とともに利用者の満足度向上に大きく貢献できると確信しています。

AskDonaについて

AskDonaは、SMS、SNS、Web、ビジネスチャットの会話を一元対応する生成AIアシスタントです。社内ナレッジを学習し、自動的に回答を生成します。さらに、業務アプリケーションとの連携も可能な10種類以上のタスク実行ツールを統合し、指示に基づいて自律的に業務をこなします。AskDonaの中核となる技術には、ChatGPT、Claude、Geminiといった最先端の大規模言語モデルを活用したRAG(Retrieval-Augmented Generation)システムが採用されています。RAGの高い回答精度技術と複数チャネルからのRAGに同時接続する仕組みにて特許出願中です。

AskDonaサイトURL:https://askdona.com

<株式会社GFLOPSについて>

ジャフコ グループ株式会社の起業家育成プログラム「First Leap」のサポートを受けた2名の元Google社員が設立しました。AIと人のHybridworkを目指して、生成AIの応用技術を活用したソリューションを提供しています。

会社名:株式会社GFLOPS(英語表記:GFLOPS Co., Ltd.)

代表者名:盛本マリア 共同代表:鈴木亮祐

本社所在地:東京都渋谷区

事業内容:大規模言語モデル(LLM)生成AI技術等を活用した、AIサービスの開発・提供

Web:https://gflops-ai.com/

<ジャフコ グループ株式会社について>

1973年の設立以来、ステークホルダーとともに、新たなテクノロジーを活用し既存の制約や常識を超えて課題解決に取り組んできました。「挑戦への投資で、成長への循環をつくりだす」を掲げ、世界中で革新的な技術・サービスの創造にコミットしています。

社名:ジャフコ グループ株式会社/英文:JAFCO Group Co., Ltd.

取締役社長:三好 啓介

本社所在地  :東京都港区虎ノ門1-23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー24階

Web :https://www.jafco.co.jp/

<理化学研究所について>

日本で唯一の自然科学の総合研究所として、物理学、工学、化学、数理・情報科学、計算科学、生物学、医科学などに及ぶ広い分野で研究を進め、研究成果を社会に普及させるため、大学や企業との連携による共同研究、受託研究等を実施しているほか、知的財産等の産業界への技術移転を積極的に進めています。

理事長: 五神 真

本所所在地:埼玉県和光市広沢2-1

Web:https://www.riken.jp/

※1 AskDona(アスクドナ):SMS、SNS、Web、ビジネスチャットの会話を一元対応する生成AIアシスタント。社内ナレッジを学習し、自動的に回答を生成。業務アプリケーションとの連携も可能な10種類以上のタスク実行ツールを統合し、指示に基づいて自律的にタスクを実行。AskDonaの中核となる技術には、ChatGPT、Claude、Geminiといった最先端の大規模言語モデルを活用したRAG(Retrieval-Augmented Generation)システムが採用されている。

※2 First Leap:日本最大の累計投資社数を誇るベンチャーキャピタルであるジャフコの起業家支援を目的としたプログラムの名称。

※3 検索拡張生成(RAG):Retrieval-Augmented Generation(RAG)の略。大規模言語モデルに外部情報を与えるための技術であり、情報検索(retrival)と生成(generation)を組み合わせた技術を示す。

※4 出願中特許:検索拡張生成(RAG)の回答精度向上の技術について出願中。

※5 チケット作成機能:「富岳」利用者が問い合わせ内容をフォーム送信することで、チケットが作成され、問い合わせ担当者が応答することができる機能。